2014年11月05日

相続が起こってしまってからの相続対策

 相続の事前対策を!と叫ばれる今日,敢えてその反対を行くのもよいのではないか,と考えています。
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 これは,少し前の日経新聞です。

 平成27年1月1日より,税制改正により,基礎控除額の変更(「5000万円+1000万円×法定相続人の数」→「3000万円+600万円×法定相続人の数」)が為されるので対策をしましょうというものです。

 確かに,相続対策は,できることならしておきたいところです。
 しかしながら,相続問題に対する事前対策は,必ずしも万能ではありません。
 いつ亡くなるのか。そのときに財産状況はどのようなものなのか。そのときに親族(相続人)はどのような状況なのか。どれも不明であり,完全に予測することは不可能です。
 また,被相続人ご本人が主導して行う場合はよいとしても,相続人側,すなわち遺産を受取る側が相続対策をすることもまま行われているところ,そのような行為が争いの呼び水となってしまうこともよく目にします。税制改正に絡んで増えそうですが,相続税対策を第一に考えてしまい,その結果,相続人間に亀裂を生じてしまう場合もあります。作らなければ良かった遺言書を作ってしまったために,大きな紛争を惹起してしまったケースも珍しい話ではありません。
 相続対策は税金対策とイコールではありません。税金が多少高くても円滑な相続の方がよいのではないでしょうか。

 そのような事情から,無理な事前対策をするくらいであれば,相続対策は,相続がはじまった後ではじめてもよいのではないかと考えます。
 相続開始後であっても,十分適正・穏当な解決をはかることができます。


 と考えながら,読んでいたら,記事の中に信託銀行の名前が出てきました。
 信託銀行が相続・コンサルティング業務をしているとの記載です。ご丁寧に連絡先まで書いてあります。

 余計なことをして,紛争の呼び水を作らないように気をつけましょう。


posted by 水越法律事務所 at 18:48| 弁護士として思うこと