2013年04月05日

転ばぬ先の契約書

平成24年5月より,あいち産業振興機構契約相談を行うことになりました。
毎月第1,第3火曜日にウインクあいちで行っていますので,是非ご利用下さい。

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ちょうど契約書に関する話をする機会があってまとめたので,ご参考までに。
弁護士ならアタリマエのことです。



1 契約書の作成の必要性

    (1) トラブルの防止
   仮に,「約束が違う!」などといったトラブルとなった場合,契約書の内容を確認すれば,どちらの言い分が正しいかは一目瞭然である。
   故に,契約書を作成しておくと,そもそも「約束が違う!」などと言い出すことが少なくなり,トラブル自体が防止される。
    (2) 紛争解決
   仮に,紛争となった場合,契約書が無いと,何が事実であったかを客観的に知ることができないが,契約書があれば,「契約書には●●と書いてあることからしても,あなたの言い分は違うよ」といった形で紛争拡大に歯止めがかかり,解決に向かいやすい。
   また,契約書が無いと,訴訟になったとしても,客観的証拠がなく,敗訴しやすい。反対に,契約書があれば,勝訴しやすい。たとえば,万全な形で金銭消費貸借契約書がある場合,貸金返還請求は認められやすい。
    (3) 信頼感のアップ
   契約書を交わすことにより,自社のコンプライアンス体制を示すことができ,信頼感がアップすると思われる。
    (4) 仕事の円滑化
   契約書を交わすことにより,義務内容を明確化することができ,その結果,誰が何をどれくらいやればよいのかが明らかになり,仕事は円滑に捗るようになると思われる。
  2 契約書の内容

    (1) 何を定める?
      ア 必ずあった方がよいもの
  双方の義務内容(誰が,いつ,どこで,何を,どのように,どうするのか。),契約解消の方法,約束が守れなかった場合のペナルティ。
      イ 原則としては,私的自治の原則の下,何を定めてもよい。
    (2) 法律上の効力を有するもの
   たとえば,車を買う場合,顧客は,車の代金の支払義務,店側は車の引渡義務。
      →訴訟になることを見据えて作成。
    (3) 独自に法律上の効力を有しないもの
      ア 努力規定(※←→規程)
   「甲乙双方は〜ように努力する」
   「甲乙は誠実に協力する」
      イ 違法・公序良俗違反
   上記のように原則自由に定めることができるが,違法な内容,公序良俗に反するものは法律上の効力を有しない。
      ウ 法律の規定と同じもの
    (4) 法律上の効力を有しないものは定めなくてもよいか
   結論:定めた方がよい。
   法律上の効力を有しないとしても,相手方に対し,注意を喚起し,意識させることができる
  3 契約書作成のポイント
@必要事項をきっちりと定める。
A自己に不利な点は徹底的に排除するよう試みる。駄目ならリスクを分析しておく
 パワーバランスの関係で,契約書の内容についてあれこれ言えないケースも多い。
  しかし,不利な点があることを認識しておくことは非常に重要であるから,必ず,自己に不利な点をチェックし,洗い出しておくことが必要である。
  そのうえで,相手方に駄目元で提案してみる。
Bプラスアルファとして,当方に有利な条件を織り込む。
   但し,当方に圧倒的に有利である場合,法律上の効力まで発生するかは微妙なケースも多い。たとえば,優越的地位にある者が劣後者に対し,自己が有利な条件をのませたとしても,それは公序良俗違反になることが考えられる。他方,劣後者は優越的地位にある者に対し,自己が有利な条件をのませられない。
   したがって,そもそもプラスアルファは,優越的地位にある者がその地位にまかせて,あるいは,優越的地位にはないが相手方を騙して織り込むなどのことも多く,後々訴訟で武器にならないことも多い。
   よって,プラスアルファを盛り込む場合も,将来的には,そのプラスアルファが自己のリスクになることを理解しておくべきである。
posted by 水越法律事務所 at 11:12| Comment(0) | 弁護士として思うこと
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